2024年

本年も大変お世話になりました。果樹園日誌を読んでくださっている皆様をはじめ、私たちの果物をご愛顧いただいている皆様、応援してくださっている皆様に厚く感謝申し上げます。

さて振り返れば2024年は私は本厄の年にあたり覚悟はしておりましたが、まさにそれにあたるような浮き沈みの激しい波の荒い一年だったかと感じております。

春先に思い出されるのは「梨の花粉問題」でした。昨年末から梨の花粉の輸入停止を受け、どのように対応するか問われていました。それでも国立の佐藤園にご教授いただき、梨の花粉の採取方法を学び、花粉を採取することができました。梨は皆様が楽しみにしているメイン作物で、不安もありましたが採取した花粉で無事に着果することができました。さらにこの花粉採取により開花前の花を摘むため花数が制限され、前年よりも非常に大玉で風味豊かな果実に仕上がりました。稲城梨は数玉ですが、1玉1㎏という目標を達成することができ、立川市果実品評会で金賞を頂けたことは非常に自信になりました。梨栽培も今期で5年目。いつも新規チャレンジは不安から始まりますが、スタッフの技術の高まりや、今回の難題を乗り越えられたことは今後に向けての弾みとなりました。

夏の高温化にも悩まされました。昨年2023年も高温化により梨の大半が日焼けしてしまい、処分せざるを得ない状況でしたが、今年も同じくらい暑い年となりました。梨においては袋を変えて挑戦したので、昨年ほどのロスはでなかったものの、それでも晩成種の新高は1/3程度は失ってしまいました。日本農業新聞でも同じように新高壊滅といったニュースが報道されており、品種構成の検討を考えていかなければならないと感じております。また、暑さの問題は作り手のスタッフにも大きく影響しております。スタッフそれぞれ暑さ対策の工夫や対策を講じても、なかなか38度の環境下での作業は難しい状況にあります。それでも植物は日々成長するため、管理作業を行わなければなりません。スタッフの体調管理と労働環境の調整に対応を迫られます。

また、この暑さは夏だけでなく冬期の暑さ(暖かさ)も影響しておりました。冬期もあまり霜のおりる日数がなく、比較的暖かい日が多かったと思います。それによりカメムシが越冬し、春先から大発生してしまいました。例年、9月頃にカメムシ注意報が流れるのですが、今年は5月頃から流れ始め、一年を通して対応をする必要がありました。ほかにも10月頃には「チュウゴクアミガサハゴロモ」という虫が大発生しました。過去全く見たことが無かった虫ですが、大発生でおびただしい数を見ました。外来種で他県でも侵害虫として注意喚起がされています。今は剪定作業を行っておりますが、チュウゴクアミガサハゴロモが卵を産んだ枝が多々あり、先々の影響が懸念されます。

害虫、害獣といった点では、「インコ」をはじめとする鳥害が今年は多く打撃を受けました。まずリンゴについては今年からかなりの収穫量を期待しておりました。しかし、6月のまだ小さい果実のころにインコの襲撃にあい、全滅しました。早取りして販売というレベルの話ではなく、こんな果実を食べるのかと大変ショックを受けました。また、10月には柿をつつかれてしまい、販売が制限されてしまいました。テグスやネットなど対策を講じ、なんとか皆様にお届けすることはできましたが、今後も対応を求められそうです。

見つけられますか?単管パイプの上にとまっているのがインコです

と、ここまで苦労ばかりのお話でしたが、もちろんいいことも多々ございました。特に今年は良縁に恵まれた気がします。先日お話しました国際製菓専門学校の皆様や、年明けにご注文頂いております辻調理専門学校の皆様とのご縁は新鮮さを感じております。学生の皆様はこれからの食を担うための勉強を日々されており、その学びの中で地場のものを扱う大切さや必要性を感じてもらえれば非常に嬉しく思います。

また、従来からお世話になっているお取引様に加え、今年からお取引させていただきました飲食店や卸の方々とも連携を取りながら、東京産の魅力を発信することができたと感じております。年末に時間のある限り、皆様のもとへお伺いしお話を頂戴して私たちの果物についての現場の声をお伺いさせて頂きました。感謝やねぎらいの言葉を頂くとともに、課題や今後の展望などをお話しすることができ、非常に充実しておりました。農産物を作ることが仕事の農家ですが、それが食されるまで責任の一端はございます。なので今後も現場の方々と連携を図りながら、ますます東京産の魅力、果物の魅力を伝えられるよう来年も頑張っていこうと感じております。

今年は著名な方ともお会いする機会を頂きました。2月の小池都知事への表敬訪問、11月には東京ゴールドキウイでのイベントでの江村美咲選手との対談の場がありました。小池都知事は都市農業の大切さに共感してくださり、様々なサポートを講じてくださっております。感謝の場を述べる機会を頂いたこと、非常に光栄でした。江村選手はパリオリンピックで獲得された本物のメダルを見せていただき迫力を感じました。でもテレビで拝見するように気さくな方で、子供たちのサインに気軽に応じる非常に優しい方でした。東京ゴールドも気に入ってくださり、ご注文もいただきました。正直なところ、あまりフェンシングを見たことはなかったのですが、応援したくなりました。ぜひ今後のご活躍を祈念しております。

振り返れば色々とありましたが、充実した一年でした。さらに新規事業の展開にも今年は精力的に動き回りました。来年、再来年には今年の活動が実を結んでいけばいいなと感じております。まだまだ道半ば。スタッフとともにこれからも皆様に旬の果物を提供できるよう精進してまいります。

あらためて皆様方に感謝申し上げます。よい新年をお迎えください。

国際製菓専門学校

11月中旬、立川市内にある国際製菓専門学校の生徒の皆様が地域活動の授業の一環として畑に手伝いに来てくれました。

国際製菓専門学校はパティシエやブランジェ、和菓子職人を目指す専門学校になります。生徒さんは様々なコンクールで受賞されるほど技術の高い勉強をされています。

その中で、地域活動の一環としての受け入れのお話を頂き、ケーキの上に飾る果物の成り立ちや、雰囲気を感じていただければと思い快諾させていただきました。

3日間に分けて数グループが市内農家数件を回るという取り組みでした。先生方も熱心で、この取り組みを実現しようと市内農家にお願いしてきたそうです。

当園では3日間に分けて、ブドウの作業とキウイの作業を体験してもらいました。

異業種とはいえ、同じ「食」に対して取り組んでいる交流はいいですね。

生徒さんの中には山梨から電車で通学されている方もいらっしゃいました。驚きとともに、その熱意に私たちも刺激を受けました。

私たちも作業の一部を手伝ってくれることで非常に助かります。

ぜひ来年もとお話を頂いたので、お願いさせていただきました。生徒さんたちがパティシエへと羽ばたいて、その際に「高橋果樹園のフルーツが使いたい!」と思ってくれたら嬉しいですね。先々にわたっても楽しみの増える素晴らしい取り組みでした。

先生方や生徒さん達には感謝申し上げます。ぜひ地域の「食」をともに作っていきましょう。

立川市農業祭品評会

11月9日、10日の立川市農業祭に合わせ、農産物品評会が開催されました。

毎年開催されておりますが、今年度は残暑の影響で野菜の種まきが遅くなり、出品数が少ないように感じました。

まだまだ暑いね、の一言でいつも過ぎ去っておりますが、天候の変化は農業にとってはやはり甚大な影響を及ぼします。

果樹においても日焼けや虫害など、年単位、月単位での対策を考えていく必要性を感じております。

さて、品評会の結果になります。

私たちの柿(東京紅)が栄えある「東京都知事賞」に選ばれました!

またキウイフルーツ(ヘイワード)も金賞(東京都農業振興事務所所長賞)を頂きました

金賞に当たる特別賞を2点頂きました。

ほかにも時点となる銀賞も多々頂きました。

柿(太秋)

キウイ(東京ゴールド)

今年は都合により東京都農業祭品評会において出品できなかった分、こちらに尽力しました。

評価して頂ける果物となるよう、ますます研鑽を重ねていきたいと思います。

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