2022年

振り返ればあっという間の一年間でした。「あっという間に時間は過ぎ、年初めにイメージしたことの半分ができれば良い方だよ」と交わした先輩農家との会話が妙に頭に残り、時の速さと共につくづくそれを体感します。

今年も果樹園日誌で一年を振り返りたいと思います。

まずはじめに、今年はこの果樹園日誌の更新がなかなか思うようにはいかなかったということを感じています。もっと記事を書きたかったのに、ついつい日々の慌ただしさに流され更新が滞ってしまいましたことをお詫び申し上げます。楽しみにしてくれている皆様の為にも、もっともっと日々の果物づくりのお話をお届けできるよう2023年は取り組みたいと思います。

その果物づくりに関してですが、今年は高温猛暑のなか、比較的良くできたと感じております。なんといっても今年は「梨」です。髙橋果樹園初の梨を直売会などを通じてお届けできたことはとても嬉しく、新しい一ページが開けたような気がしております。ご購入いただいた方々からも「美味しい!」と言っていただけて、改めて梨栽培(根圏制御栽培)に挑戦してみて良かったなと感じさせていただきました。特に「豊水」が反応が良く、酸味のある品種の為、品種導入の際はとても悩みましたけれども、「甘さと酸味で非常に味が濃くて美味しい」と言っていただけたことは私自身びっくりしました。

今年は鳥害が多く、特に柿、リンゴ、西洋梨の被害は甚大でした。リンゴ、西洋梨は今年初成りで、私自身非常に期待していた品目でした。少しリンゴは皆様にご提供できたので良かったです。黄色系の品種「トキ」は非常に風味豊かで美味しく、東京のリンゴもいける!と感じさせてくれた味わいでした。テグスなどの対策を通じて、来年はもっと皆様にお届けできるよう努めます。

そして今年は体験にも力を入れました。子供会を中心とした野菜の栽培体験、夏の収穫体験会、そして今回が初の試みとなりました秋の収穫体験会。

夏の収穫体験からブドウ梨の販売と目まぐるしく過ぎる中で、スタッフで企画し行った秋の収穫体験会。柿、キウイについては幾度か体験会をしていたのでイメージはできたのですが、サツマイモは掘ってみないことにはどうにもできないので、内心ハラハラドキドキしておりました。それでもいざ掘ってみると、「おっきい!!」「いっぱいある!!」などの歓声があがったときは、安堵と共に喜びがわきあがり感無量でした。お越しいただいた皆様には改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。

また今年は視察の受け入れや講演もよく行わせていただきました。立川市よりご依頼を受けましたシルバー大学での授業もなかなかの長丁場でドキドキしました。ブルーベリー栽培からの果樹栽培の話を通じて果物づくりの魅力をお伝えすることができ、良かったです。拍手を頂きましてありがとうございました。もう一つ印象深かったのは高千穂大学への視察受け入れ&講義です。普段食育授業など小学生向けのお話は多いのですが、大学生となるともっと専門的、もっと深い内容が求めれると思い準備したのがいい思い出となりました。まだまだ講義と呼べる内容ではないですが、このような機会を頂けるありがたさを感じながら、研鑽して、農業の魅力、果物栽培の魅力をお伝え出来たらと思います。

まだまだ振り返るともっともっと長文になるほどたくさんありますが、なにより今年感じたことはスタッフへの感謝です。農業は毎年環境が異なり毎日が勉強だといわれる特殊な職業とされる中、果物作りに真摯に向き合い少しずつ技術を高めて、それを発揮してくれる仲間には頭が上がりません。私自身もまだまだ伸びしろがあると感じております。新しいアイデアを形にして、よりよい果物を皆様にお届けできるよう、髙橋果樹園スタッフ一同、取り組んで参ります。縁あって、規模拡大をするチャンスを頂けたのでまた初心に戻るつもりで果物づくりに励みます。

結びになりますが、2023年が皆様にとって実り多き一年になりますことをご祈念申し上げます。よい新年をお迎えください。

世田谷区の農家の皆様が視察に来られました

12月7日に世田谷区で農業を営む方々が髙橋果樹園に視察に来られました。

世田谷区というと私の母校である東京農業大学があり思い出深い場所でもあります。高級住宅街のイメージがあり、農業にはすぐ結びつきませんが、馬事公苑や砧公園などの緑もあります。

立川でも都市のなかの農業と感じておりますが、世田谷では私が取り組んでいる以上に都市農業でありながら、熱心に取り組んでおられる方々が視察に来られ光栄に感じております。

ブドウをはじめ、イチジク、柿、根圏制御栽培の梨について説明をさせて頂きました。熱心にお聞きいただきありがたかったです。

終わり時間間近の質疑応答の際には収穫体験について問われ、先日の秋の収穫体験会の内容や夏の内容をお話しさせていただきました。農家としての体験運営について、私自身も世田谷での内容をお聞きすることができ大変勉強になりました。

お越しいただいた皆さんありがとうございました。

秋の収穫体験会2022

11月20日、初めて秋の収穫体験会を開催することができました。

非常に多くの皆様からご応募、ご参加いただき、誠にありがとうございました。御礼申し上げます。

特にサツマイモは皆様にお集まりいただいた畑で作るのは初めてでしたので、どうなるか心配でハラハラしておりました。一部に獣害の被害がある区画もあったものの、出来も良かったようで皆様にお喜びいただき安堵しております。大きいお芋もいっぱい掘れ、ご満足いただけて良かったです。

柿については、皆様にハサミをご準備いただき、収穫して頂きました。ぐるぐると畑内を見周りながら、思い思いに好きな果実を見つけ収穫する。一見なんともないことですが、あまり事例のない仕立て方を導入し、収穫位置を低く低く作ってきたおかげで脚立も使わずにこの体験会ができることに、私自身とても嬉しかったです。始めた当初から目標にしてきたことが叶い、感無量でした。皆様の「大きい!」や「どれにする?」と楽しんでいる声が飛び交い、私たちも楽しくなりました。

キウイフルーツはすぐに食べることができないのが難点ですが、それも食育の一環としてお家に帰ってから楽しんでいただければ幸いです。東京ゴールドは形にも特徴があり、樹にぶら下がっている様子をも見ためにも楽しんでいただけて良かったです。よく探せば超大玉の果実もあり非常にご満足板だけてよかったです。また、本来は子供には棚が高く収穫ができないのですが、親御さんが抱っこをして収穫するというのは家族のスキンシップにもなり非常に良かったと声をいただきました。

今年度の収穫体験はこれをもちまして終了となります。これから肥料や剪定など樹のメンテナンスをしっかりとしてあげて来年に備えたいと思います。

私たちにとっても、皆様方の喜ぶ顔を間近に見れる収穫体験会は作業の活力になっております。また来年も企画して参りたいと思いますし、収穫だけではない作業体験も含めたものも考えていきたいと思います。引き続きよろしくお願い致します。

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